2週間ぶりの札幌。こんなほんの短い時間しか経っていないけれど、この北の大地には劇的な気候の変化が訪れていた。新千歳空港に降り立った途端、肌を刺すような寒さに衝撃を受けた。それもそのはず、気温は日中でも5℃に満たない。吐く息は白く曇り、大きく息を吸い込もうとすると外気の冷たさにむせ返りそうになる。北海道への冬の訪れをはっきりと感じた。
ミーティングが終わって外に出ると、日は完全に落ちて真っ暗。いつの間にか吹雪き始め、気温もぐっと下がっていた。快晴の東京から日帰りで訪れている僕が傘を持っているはずもなく、ただただ雪に降られるしかなかった。寒い。
大通り公園に差し掛かると、眩い光が目に飛び込んできた。毎年の恒例で公園がイルミネーションで飾られていた。結構大規模な装飾で、長細い公園の数百メートルに渡って並べられている。個人的には日本人がクリスマスを祝う習慣ってあまり好きにはなれないけれど、街が華やかになることは素晴らしいとい思う。
「菅家 北4条店」
札幌市中央区北4西1目JA北農ビル地下1階
各線札幌駅徒歩3分
注文したのは岡本ラーメン醤油。昔この店の常連だった「岡本」という方がこのメニューの考案者なので、このようなネーミングになっているらしい。スープは鶏ガラベース。一口飲むと口中に鶏の旨みが広がって、一方でしつこさが全くなく後味さっぱり。これだけ純粋な鶏ガラスープに出会えるのは本当に珍しいと思う。麺は一柳製麺製の中太ちぢれ麺。よく熟成されたコシのあるなかなかの麺だけれど、もう少し細い方がこのスープにはマッチするような気がした。トッピングには岩のり、ネギ、チャーシュー、ナルト。岩のりが鶏ガラスープにとてもよく合うことは新発見。チャーシューも肉厚ジューシーで美味しい。ナルトは特に必要ないと思った。鶏ガラベースのスープとしては、今まで食べた中でもかなり高く評価できる1杯。素朴な味が素晴らしく、5点満点で4。
ところで、帰りに新千歳空港で土産物屋をぶらぶらして珍しい物を見つけた。鮭、98,000円!この鮭は、「鮭司(けいじ」と言われる種類のもので、希少価値が極めて高いらしい。
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けいじと読む。訛ってけんちと呼ばれることもある。卵巣、精巣が未成熟であり、ある意味で雄でも雌でもない状態であるもの。漁獲量は普通の鮭1万匹に対して1~2匹程度しかなく、幻の鮭といわれている。その身は大変に脂が乗っており(脂肪率が通常の鮭2~15%に対し鮭児は20~30%)美味である。このため、高級食材として珍重されている。通常の鮭と見分ける箇所は、腹を開けて胃袋の下側についている幽門垂の数を調べることで、その数が220個程度あれば「鮭児」である。水産庁の外郭団体であるさけます資源管理センターの調査では、「鮭児」の遺伝子の解析結果より、日本の河川で生まれたものではなく、アムール川系のものであることが判明している。
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鮭司専用のホームページまであった(こちら)。それにしても、一体どこのセレブレティが空港で98,000円も出して鮭を買うのだろう。
次回の札幌出張は2週間後。完全に雪景色だろうな。
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